【第17回】知っておきたい 供養の知識〜墓仕舞い〜

少子高齢化に伴い、田舎の住人が減少し、ご先祖を祀る責任者がだんだん少なくなり、又血縁に対する後継者としての責任感が少なくなり、墓仕舞いが時代の流れとして出てきています。時々耳にする「次の世代に迷惑を掛けたくない」は自分本位で短絡的な発想で好きになれません。人生を真剣に考える中での、家族の事情が重なり、墓仕舞いは容認しなければならないこともあるのでしょう。

家族を大切に思い、亡くなった家族を大切に思う気持ちを形にしたものがお墓です。見えない故人を、存在するものとして大切に守り、残された者の心を癒す働きがあります。その存在を無くすことは大変な決断が必要なものです。
安直に、世間の風潮に流されるのではなく、真剣に「生きること」に向き合い、その中で家族を思う心が大切なのです。
以前に、都会で親族の不幸があり、お世話になっていたマンションの管理人と話を交わすことがありました。その方は、「私は葬式も墓もいらない。私が亡くなったら、生ごみで捨ててもらっても結構」と話されているので「では、あなたのお孫さんが亡くなったら、あなた自身の希望と同様、お孫さんを生ごみで出しても良いのですね」と問いました。すると、「それはダメです。大切に見送りたい。私は少し短絡的にものを考えていたようです」と話されました。家族にしたいこと、してもらいたいことを、世代を超えて丁寧に考えるべきだと思います。

終活も同様です。一生懸命生きた者が、後継の迷惑にならないよう、身近に有る不要なものを片付けるのは大変良い事ですが、勢い余って個人の生きた証や、大切な物を容赦なく破棄・処分することは個人の尊厳を大切にしたことにはなりません。個々人を大切にする心構えを忘れないようにしましょう。
隣の人がやるから同じことをするのではなく、真剣な生き方をし、そのことを尊重するのが供養の形だと思います。

関連記事

  1. 【第21回】知っておきたい 供養の知識〜新しい年を迎え昨年を振り返る〜

    年末には、新しい年を迎え、過ぎた一年を振り返り新しい年の心構えとしたいものです。

  2. 【第18回】知っておきたい 供養の知識〜供養の形〜

    供養の形について、本当に指導を受けてから40年になります。多くの事例を体験・研究し、人の世は個人の実力と共に、運に支配されていると感じます。

  3. 【第19回】知っておきたい 供養の知識〜供養と家族のあり方〜

    家族があり、その中で年を重ね、やがて寿命を迎えます。共に過ごし、豊かな年月を重ねた家族は、故人の見送りをした後も、やさしく心を寄せるものです。それが人として、自然に湧き上がる心情です。


ページ上部へ戻る